アオちゃん(BALIUS2)も早8歳(平成27年現在)。
エンジンもフレームもまだまだしゃっきりして元気満点なんですけどね、
流石にゴム系パーツなんかは劣化が始まってたりするんですよね、特に外気に触れてる物は硬化やひび割れが出始めてる模様。
各部のシール剤として使用されてる事も多く、シール力が弱まっちゃいますよね、
一番気になってたのが、「フロントフォークのダストシール」
オイルにじみも無いので、オイルシールは大丈夫みたいだけど、ダストシールのひび割れが酷くなってきてますね、
最悪の場合、雨水をフォーク内に吸い込んだりして、オイルの劣化やインナー部品の損傷なんかにも繋がるので、早めに交換しておきますかね、
ついでにフォークオイル交換&調整もやっておきましょう。
 
各ボルトの締め付けトルク管理が必要なんで、実施前に現車用のサービスマニュアルを用意しておきましょう!
管理人は一式揃えておりますので、問題ございません!
正確なトルクレンチとか工具が無い場合はプロに任せましょうね、命に関わりますから! 
 
ダストシールまずは交換用部品を手配。
左右フォークのダストシールですね、
勿論Kawasaki純正部品。
品番:92093-1421
 
それと、BALIUS2はフォークオイル交換が楽なドレンボルトが付いてます。
今回はフォークを抜いてのメンテなんで交換はしないですけど、一応手配しておきました。
ボルト:112AA0608
ガスケット:44045-047
フォークオイルSS-8フォークオイルは他の銘柄にしようかとも思ったんですけど、自分で交換するのは初めてですので、純正指定に
Kawasaki純正のSS-8
メスシリンダーフォークオイル量は計って入れますので、メスシリンダー
フルメンテ時の規定量は396ml(オイル交換のみは340ml)ですので、500mlがあると便利です。
調整は↓のレベルツールで行うので、精密な物じゃなくても大丈夫ですね、
他にも色々と使えますから、500ml、100ml、250mlなんかを持ってると便利。
油面レベルツールフォークオイルのレベルを手軽に調整できるオイルレベルツールですね、
メモリ付きのパイプを上端抑え部品に取り付けて、指定レベル以上に入っているオイルを注射器で吸い出す仕組みですね、
専用品が無くてもできるけど、まあ、一番楽ですわな
トルクレンチBALIUS2のフロントアクスルシャフトの締め付けトルクは88N・m。
普段使いのトルクレンチは5〜40N・mなので、大トルク専用の物を買い足してみました。
ホイール周り以外には使わないと思うので、なにしろ安いヤツを選定(笑
スエガケツールさんのSA30TRってモデル。
21〜105N・m対応です。
安いのに実測値検査証も同梱されてて意外とちゃんとしてた。
パッケージは精密機器とは思えないけどね(笑
オイル廃棄箱抜いたフォークオイルの廃棄用にオイルポイパック。
2本合わせても700ml程度ですから2.5L用で充分ですね、
オイル廃棄箱は余裕あるサイズの方が良いと思います。
ぴったり容量だとタプタプですね。

さて、準備も整いました、
今回はフロントフォークを取り外してのメンテナンスになりますので、行程は
 ホイール外し→フォーク外し→メンテナンス→フォーク取り付け→ホイール取り付け
っとなります。
各部のボルトは締め付けトルクが指定されており、綿密に管理する必要があります。

締付トルク各ボルトの締め付けトルクは以下の通り
(サービスマニュアルより抜粋)
 
1.アクスルシャフト:88N・m / 9.0kgf・m
2.シャフト固定ボルト:20N・m / 2.0kgf・m
3.ドレンボルト:7.4N・m / 0.75kgf・m
4.フォーク固定下:34N・m / 3.5kgf・m
5.フォーク固定上:20N・m / 2.0kgf・m
6.トップキャップ:23N・m / 2.3kgf・m
 
今回は3のドレンは外さないけど、通常のフォークメンテ時はここからフォークオイルを抜きます。
実作業スタートします〜
フロント周りをガッツリ外すんで、車体が不安定にならないように要注意!
フロントフォークメンテまずは前準備、
車体前部を保持するためのジャッキと車体が動くことを防ぐ為の車止めですね、
1人で作業する場合、車体の高さを微調整しながらになるので、バイク専用のジャッキを使った方が作業しやすいですね、
特にアクスルシャフトの抜き差しでは、結構細かめに調整するので重宝します。
フロントフォークメンテホイールを外す場合に邪魔になるブレーキキャリパーとスピードメーターワイヤーを取り外しておきます。
スピードメーターワイヤーはプライヤーで根本のネジを回せば抜けてきますが、先端部を壊さないように注意したいですね、
ブレーキキャリパーはホースに負担がかからないように、紐で吊っておきましょう。
フロントフォークメンテジャッキアップする前に各ボルトを緩めておきます。
不安定な状態でトルクをかけると、車体を倒しかねないですからね〜
あくまでも緩めるだけ、
緩めすぎると、フォークがずれて車体が下がっちゃいます。
 
トップキャップはこのタイミングで緩めておかないと、フォークを抜いてからでは外せませんね、
このスペースが狭いBALIUS2ですが、24mmレンチならなんとか作業できました。
フロントフォークメンテBALIUS2の場合、アクスルシャフトは右側(キャリパー側)に抜けてきます。
なので、固定ボルトを緩めるのはこちらだけ。
反対側のナット側も緩めると、シャフトが供回りして外れませんからね、まあ、当たり前ですね。
フロントフォークメンテさあ、今回の作業の第一の山場!
アクスルシャフトを緩めます。
88N・mって鬼トルクで締まってるんですよね〜
12mmのヘックスを長いブレーカーバーに取り付けて回してみますが、緩む気配なし・・・
ホント、ここって逆ネジだったっけ?って位に締まってるね、
順ネジなんですけどね(;^_^A
 
足でガツッ!っと蹴って、やっとこ緩みましたわ
フロントフォークメンテ全部のボルトが緩んだらジャッキアップ。
アクスルシャフトに負荷がかからない状態までアップしたらあっけなくシャフトは抜けましたわ、
タイヤがフェンダーに干渉しない高さまで上げればホイール取り外し完了!
右側のカラーと左側のメーターギアが無くならない要に注意しないとですね、
ブレーキディスクやメーターギヤに負担がかからないように、ホイールは立てかけておきました。
フロントフォークメンテあとは簡単、フェンダー外して(意外とボルトが固着して苦労したっす)、フォークを抜き取るだけ。
前側が無くなって、非常に不安定な体勢に見えますね、
バイク専用ジャッキなんで、見た目よりは安定した状態なんですけどね、
精神衛生上悪い感じですな(笑
さあ、フロントフォークも抜けたので、ここからがメンテ作業の本番。室内に移って作業しましょう。
フォークオイルの交換とダストシールの交換っす〜
フロントフォークメンテ取り外したフォークを見てみましょう。
こんな感じでダストシールのインナー側がひび割れちゃってるんですよね・・・
フォークに傷が入ってる訳でもないし、オイル漏れも無いので機能的には問題無いんだとは思うんですけどね
よく目に付く部分だけに、気分は良くないですね、
フロントフォークメンテまずはトップキャップを外して、フォークオイルの抜き取り作業に行ってみましょう。
勿論、フォークメンテナンススタンドなんて持ってないですから、こんな原始的な方法をとってみました。
机にフォーク下端をガムテープ止め(笑
こんなんでも、ちゃんと機能しますよ〜
左右のオイル状況や量をチェックしたいんで、別々のトレイに抜き出します。
フロントフォークメンテオイルの状態は左右とも概ね同じ感じでした。
多少の濁りや金属微粒子は出てましたけど、透明度も高く粘度もそこそこある感じですね、
年式(2007年製)を考えても、1回は交換されてる雰囲気。
戻すのもなんなんで、勿論、交換いたします。
フロントフォークメンテ抜き取ったオイルの量は左が365ml、右が360mlくらい。
規定量が396±2.5mlですから、チト少ないかも、
フォーク内の残留も有るし、スプリングとかの付着分もありますけど、若干減ってるのかな?
今回は逆さまにしてシュポシュポして出来る限り抜き取ったんですけどね〜

フロントフォークメンテ新しいフォークオイルを入れる前にダストシールを交換しておきましょうかね、
この部分は圧入と言うより、押し込んであるだけなんで、マイナスドライバーとかでこじれば抜けてきます、
アウターに傷が付かないように気を付けるだけですね

フロントフォークメンテダストシールの中は意外と綺麗なままでしたわ、
オイルシールの状態も良いですし、固定用リングもサビは発生していませんね、
ダストシールはちゃんと機能してた模様です。
フロントフォークメンテ新品部品を取り付けましょうかね〜
圧入では無いので、特殊工具も馬鹿力も要りません(笑
片側を入れ込んだら、ジワジワと押していけば綺麗に納まりますな。
シリコングリスとか使えばスルッと入りそうだけど、抜けやすくなるのも困りものなんで、なんにも塗りませんでしたわ。
フロントフォークメンテさあ、新しいフォークオイルを入れますかね〜
って、またまた原始的なメンテナンススタンド(笑
フォークが垂直に固定できればOKなんで、こんなんで問題ございませんな、
キャスター付きの椅子なんですけど、古くて動きが悪いので大丈夫です(笑
この後、フォークオイルを規定量プラスアルファ(350ml位)を計って入れて、シュポシュポしてエアを抜きます。
縮めた状態でしばらく放置して気泡が納まるのを待ってから、オイルレベルツールで余分なオイルを抜き出す感じですね〜
写真撮り忘れましたわ・・・・
油面調整の時は両手が塞がってますからね、って言い訳です・・・
 
規定の油面は113mm±2mm、今回は圧縮時の柔らかさを狙って低めの115mmにしておきました。
しばらく走って、柔らか過ぎだったら、もう少し足しましょうかね。
体感できる差では無いとおもいますけどね(笑
フロントフォークメンテフォークのメンテも完了したので、逆の手順で組み立てて作業完了ですね〜
テスト走行には行ってませんので、挙動がどうかわったかは分からないですけど、停車した状態で揺すってみた感じとしては中々良い感じ。
ストロークスピードは速いままで、コシが出た様子。
まあ、元のオイルの状態から言っても、それほどの差は無さそうですけどね、
エアスプリングもリセットできましたから、良しとしましょう。
今回の作業は、ホイール外したり、フロントフォーク抜いたりと、結構面倒臭いな〜って思ってたんですけどね、
作業を開始してみれば、意外と難しいこともなく、順調に進みました。時間はかかったけどね、
サービスマニュアルに則して実施しないとダメだとは思いますけど、敷居はそれほど高くない作業でしたわ。
各部の締め付けトルク管理だけは要注意ですね、命に関わりますからね!